木工
大阪泉州桐箪笥
木工
大阪府
農業をするかたわらに行われた、近所で採れるキハダやキリの木を使った、箱等の簡単な指物作りは、江戸時代中期に始まったと言われています。江戸時代後期から明治時代にかけて一大産地を形成しました。
キリの柾目(まさめ)を活かし、木釘と各種組み接ぎ(くみつぎ)技法を凝らした組立から、磨き着色に至るまで、伝統技法を脈々と伝えています。
大阪唐木指物
木工
大阪府
唐木製品は、奈良時代の遣唐使によって持ち帰られました。珍しい木が使われていたため、この木を唐の木、唐木と呼んだことが唐木指物のいわれです。
江戸時代に入ると唐木材はすべて長崎に運び込まれ、大阪の薬種問屋がこれを引き受けていました。大阪の唐木製品は手作りで、伝統的な技術・技法を用いて、現在の生活様式に合うように工夫、改良されています。
大阪欄間
木工
大阪府
大阪欄間の始まりは17世紀初期で、大阪府内の聖神社や四天王寺等にその伝統技法のもととなる技術がみられます。
その後、江戸時代中期には商家を中心とした一般の住宅の茶の間、客間等の鴨居(かもい)の上に、光を取り入れたり風通しを良くするという実用性と、品格を表すための室内装飾として取り付けられました
京指物
木工
京都府
始まりは平安時代に遡ります。室町時代以後には専門の指物師が現れ、茶道文化の確立とともに、京指物も発展しました。
無垢板(むくいた)を用いた高級和家具の調度指物と、キリ、スギ、クワ、ケヤキ等の木の素材を生かした挽物(ひきもの)、曲物、板物等の茶道具指物があります。
秋田杉桶樽
木工
秋田県
秋田城遺跡から、15~16世紀のものとみられる桶に使った薄板、底板、取っ手等が発掘されています。
江戸時代初期の秋田藩家老の日記に、現在の雄勝町の酒屋で桶が使用されていたという記録が残っています。
角館町の青柳家には、19世紀前半の手桶、櫃、岡持(おかもち)が残っています。これは溜(ため)塗りで銅たが、竹たがが使われています。形は現在のものと同じです。
樺細工
木工
秋田県
樺細工は、18世紀末に、佐竹北家により、秋田県北部の阿仁地方から角館に技法が伝えられたのが始まりとされています。
佐竹北家の城主に手厚く保護を受けた樺細工は、下級武士の副業として広まりました。明治時代に入ると、禄を失った武士が、収入を得るために本格的に取り組んだことで、今日の原型と言える作品が作られるようになりました。
岩谷堂箪笥
木工
岩手県
寿2号車タンス岩谷堂簞笥の始まりは18世紀末に遡ります。当時の岩谷堂城主が家臣に車付箪笥や長持等の木工家具の商品化を研究させたのが始まりとされています。
現在の江刺市にあたる岩谷堂は、平安時代末期に平泉文化を築いた奥州藤原氏の初代清衡が、平泉に移るまでの約30年間、本拠地としていたこともあり、鋳金や木工等の伝統が古くからありました。